Tさんは基礎知識が不足ぎみとみえて、妙に感心している。ボクは皮膚の構造を描いたイラストを見せた。皮膚というのは、外側から角質、表皮、真皮の順で層になっていて、真皮の下に脂肪層や筋肉がついている。若いうちは、表皮と真皮の境目の基底層と呼ばれる部分が波状になっていて、水分や栄養分を受け取る面積が広い。ところが二五歳くらいを境に、だんだんこの波が平坦になってくる。つまり水分や栄養分を受け取る面積が狭くなってしまうわけだ。加えて、年とともに肌の張りを保つ働きがある真皮内のコラーゲンが減り、弾力線維のエラスチンの断裂も始まる。そのため保湿力が低下して乾燥ジワとかチリメンジワとか呼ばれている小ジワができる。小ジワは、皮膚が薄く脂の分泌の少ない目の周辺にできやすい。この部分は若いうちからアイクリームなどで十分保湿してやらなければ、どんどん老化が進む。