本人抜きには語れない

2012-01-04

ジル−サンダーについて語る試みは、現在あるズレを抱えることとならざるをえない。なぜならば、デザイナーとしてのジル−サンダーは、二〇〇〇年秋冬コレクションを最後にブランドであるジル−サンダー社の社長職とデザイナー職を辞任してしまったからである。実際、多くの老舗メゾンが、デザイナー本人が死去した後にもブランドとして存在し続け、ブランド−イメージを継承・刷新している。その意味で、ブランドは、デザイナー本人の手を離れても生き続ける場合が多い。

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しかし、突然の引退発表の衝撃もまだ冷めやらぬジル−サンダーにあっては、ブランドとしてのジル−サンダーを語ることは、結局、デザイナーとしてのジル−サンダーについて語ることとなる。それは、現在のそして未来に作られるブランドとしてのジル−サンダーのやり方とは、同じであるとは断言できない。特にジル−サンダーのデザインやブランド−イメージが、ジル本人の生き方と共通しているため、なおさらジル本人を抜きにしては語れないのである。