関係ができてからはバソプレシンは新たに分泌されなくなりますが、それまでにじゅうぶん残高がたまっていれば、彼女に感じるいとおしさは変わりません。そして、代わりに彼のほうにもオキシトシンが分泌されます。今度は、相手を受け入れる穏やかな愛情が出てくるわけです。そして、男女ともに快楽ホルモンのペーターエンドルフィンも分泌され、心地よい充足感を感じることができます。こういうプロセスをたどって結ばれたカップルには、温かい情が育まれていきます。男女ともに、平均的な結婚年齢になれば、もう性交渉に溺れる時代は終わって、互いにコントロールできる段階に入っています。待ち遠しく待って、やっとする。それこそが長く続く愛情関係のヒケツです。ユダヤ民族五〇〇〇年の知恵の宝庫といわれる聖典「タルムード」にも、「性交渉してよいのは月に多くて二回」と書かれています。これは、体験的に、問を空けるのがいいということがわかっていたからでしょう。