示談交渉で重要なことは、総合的に事案を考え、その事案では何が争点であるかを知ることです。言い換えれば、損害賠償額に対し大きく影響する要素は何かをつかむことです。たとえば、被害者の総損害額が1000万円であるとします。事案は被害者にも過失があった例で、その過失の割合について被害者は20パーセント、保険会社は40パーセントを主張しています。具体的な損害賠償額は、総損害額から過失割合分を減額して決定されます。したがって、被害者の主張のとおりであるとすると損害賠償額は800万円となり、保険会社の主張のとおりであるとすると600万円となります。その差は200万円にものぼります。この過失割合をどのように考えるかによって具体的な損害額は大きく変わります。入院雑費についても争いがあり、被害者と保険会社の主張のわずか1日当たり100円であったとしましょう。入院期間が100日であっても、その差は1万円にしかすぎません。これに過失割合をかけると更に減ってしまいます。この事案では、入院雑費よりも過失割合についてこだわるべきであることは明らかでしょう。