日本のファッションの歴史からみても、注目されるのはデザイナーやブランドであることが多い。たとえば、戦後すぐに流行したクリスチャン・ディオールのニュールック、ジャックファットなどのアルファベットライン。60年代のミニスカートの発信源はマリー・クワントで、パンタロンスーツはイヴ・サンローラン。80年代のDC(デザイナー・キャラクター)ブランドブーム時は、日本のデザイナーのライフスタイルまでにスポットが当たった。デザイナーばかりがもてはやされてきたせいか、パタンナーは減る一方。深刻なパタンナー不足が続いた1980年代後半、アパレル業界の現場では「パタンナーの時代」キャンペーンが起こる。その背景には、戦後の日本の衣料消費が一定の規模に達し、衣料品への単純な充足を満たした時代から、差別化されたファッション商品を求める時代へと消費者のスタンスが変わったことがある。